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製品事故を防ぐ取扱説明書|PL法・国際規格対応の重要性と改訂のポイント

製品事故を防ぐ取扱説明書|PL法・国際規格対応の重要性と改訂のポイント

このコラムを書いた人

〇〇企画部 A.H

製品を市場に投入する際、本体の安全設計に万全を期すのは当然のことです。しかし、どれほど優れた設計であっても、ユーザーの誤使用や予見せぬ事故を完全に防ぐことはできません。そこで製品安全の最後の砦となるのが「取扱説明書」です。

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万が一、危険や禁止事項の記載もれ、予見できる誤使用への警告不足があれば、それは製品そのものの欠陥と同様にみなされる可能性があります。
これは、損害賠償やリコールといった企業の存続に関わる重大な法的・社会的リスクに直結します。本コラムでは、取扱説明書の記載不備が招くリスクの実態と、国際規格や国内法規に基づいた評価・改訂プロセスの重要性について解説します。

指示・警告上の欠陥が招く事業リスク

取扱説明書は、単なる機能や操作手順を羅列した案内書ではありません。ユーザーが製品を安全に使用するための「指示・警告表示」という極めて重要な役割を担っています。
この表示内容に欠陥が発見された場合、企業は事業継続を揺るがすようなリスクに直面します。

リコールや損害賠償による経営への影響

取扱説明書の記載に欠陥があり、それが原因で製品事故が発生した場合、企業は製造物責任(PL責任)を問われる可能性が高まります。
指示・警告上の不備が認定されれば、多額の損害賠償を命じられるだけでなく、市場に出回った対象製品の自主回収(リコール)や、マニュアルの全改訂といった物理的・金銭的な甚大な負担が重くのしかかります。

企業の社会的信用の失墜

さらに深刻なのは、一度失われたブランドイメージや取引先からの信頼を回復するには、膨大な時間と労力を要するという点です。
「とりあえず使い方を記載しておけば良い」という認識から脱却し、「規格や法規制の要件を確実に満たした記載になっているか」を検証することが、企業を守るコンプライアンス上の必須条件となります。また、海外や異なる地域へ販売ルートを拡大する際も、対象国・地域の法規制や規格要件への適合が厳しく問われるため、事前の入念な対応が必要です。

リスクを最小化する「客観的な評価」の基準

取扱説明書の記載内容が適切かどうかを、社内の属人的な基準だけで判断するのは非常に危険です。製品開発者や設計者の目線に偏ると、ユーザーにとって必要な警告が欠落したり、専門用語の多用によって危険性が正しく伝わらなかったりするリスクがあります。

そこで有効な解決策となるのが、国際規格や国内法規に基づいた客観的な評価プロセスの導入です。第三者機関が定めた体系的な基準を照らし合わせることで、記載内容のばらつきを抑え、リスクを最小化することが可能になります。

国際規格が定める作成原則と安全情報の伝達

取扱説明書の作成方法や文書自体の構成・伝達方法の原則を定めた代表的な国際規格として、「IEC/IEEE 82079-1」(使用情報の作成)が挙げられます。

また、機械類に特化した取扱説明書の起草原則としては「ISO 20607」が存在します。
この規格は、「ISO 12100」に基づくリスクアセスメントの結果を、取扱説明書上でどのように安全情報として伝達すべきかを規定しています。さらに、製品ジャンルに応じて「IEC 60335-1」や「IEC 62368-1」といった個別規格が求める安全情報の要求事項を遵守する必要もあります。
これらを参照し、診断・改訂を実施することが、製品事故リスクの低減と国内外の法規適合への近道となります。

PL法とJIS規格に基づく国内向けの指針

日本国内向けに製品を展開する場合、診断と改訂の確固たる土台となるのは「PL法(製造物責任法)」における製造物責任の考え方です。

これに加え、具体的な表現やレイアウトの指針として「JIS S 0137」(消費生活用製品の取扱説明書に関する指針)や「JIS S 0101」(消費者用警告図記号)といったJIS規格が存在します。PL法の枠組みを踏まえたうえで、これらの規格に沿って表現を最適化することが、国内向け取扱説明書の法的責任への対応と、ユーザーへの的確な情報伝達を両立させるアプローチとなります。

専門的知見による取扱説明書のリスク評価・改訂アプローチ

取扱説明書の指示・警告における不備や、製品規格・安全規格への対応を社内リソースだけで完結させるのは容易ではありません。確実なコンプライアンス対応と品質向上を目指すなら、国際規格・製品法規に関する専門知識を持つプロフェッショナルへの相談が確実なアプローチです。

専門知見を活かした3ステップのサポート

弊社の取扱説明書改訂サービスは、以下のプロセスで課題を解決します。

  • STEP1: 規格・法規制との適合性を確認するリスク診断(現状把握)を行い、文章やデザインの最適化を含めた改善案をご提案します。

  • STEP2: お客様との密な対話を通じて認識齟齬を防ぎ、製品特性に合わせた改善内容を確定させます。

  • STEP3: 使う人の「分かりやすい」を徹底追求した情報構造化や、専門用語の平易な解説、図解・イラストの活用を用いて、確定した内容を直感的に伝わる取扱説明書に反映します。

これらのプロセスにより、国内外の法規制・国際規格への適合や、PL訴訟・リコールリスクの低減を実現します。単なる記載事項の羅列ではなく、直感的に伝わる情報設計を行うことで、取扱説明書を「もしも」の事故から会社を守るプロダクトディフェンスとして機能させることが可能です。

まとめ

取扱説明書は、製品本体の性能や設計だけではカバーしきれない安全上のリスクを補完する極めて重要な文書です。指示・警告の不備は、損害賠償やリコール、企業の社会的信用の失墜といった重大な危機に直結する可能性があります。

事業を守り、製品の価値を正しく届けるためには、ISO 12100やIEC/IEEE 82079-1などの国際規格、そしてPL法やJIS規格といった客観的な基準の両面から、取扱説明書のリスク評価と改訂を行うことが、最も確実なリスクマネジメントと言えます。

取扱説明書の安全性向上や法規制対応に関する課題をお持ちでしたら、専門家の知見を取り入れた客観的な診断をお勧めいたします。自社のマニュアルが抱えるリスクを正確に把握し、最適な解決策を見つける一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

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