
「CMS(コンテンツ管理システム)=マニュアル作成を効率化するための専門ツール」というイメージをお持ちではありませんか?実は今、マニュアル制作の現場で整えられた正確なデータを、営業支援や広報など他部署でも活用し、全社の「情報の食い違い」を防ぐ基盤にする。そんな新しい活用の形が注目されています。
しかし、現実には理想通りの運用ができず、悩みを抱える企業も少なくありません。なぜ、マニュアル部門が正しく改訂を行っているのに、カタログやWebサイトとの間で数値の食い違いが起きてしまうのでしょうか。架空のストーリーを例に、その原因を探ってみましょう。
※本記事は、ご相談や支援事例をもとに構成した架空のストーリーです。

機械メーカーの営業担当・高橋さんは、新製品の商談を終えて帰社したところでした。手応えは上々でしたが、帰り際に顧客から言われた一言が強く引っかかっていました。
「高橋さん、カタログには「最高出力 150kW」ってあるけど、マニュアルの諸元表には「140kW」って書いてあるよ。どっちが本当なの?」
高橋さんの心には、嫌な予感がありました。(またか……。今週だけで、資料の裏取りや確認に何時間使っているだろう)
カタログ、仕様書、Webサイト、そしてマニュアル。それぞれを管轄する部署が違い、管理しているファイルもバラバラです。そのため、「マニュアルの内容は新しくなったのに、他部署が管理するカタログは古いまま」といった情報の断絶が起きてしまいます。この食い違いを突き合わせるために、高橋さんのような営業担当者の貴重な時間が削られていました。
翌日、高橋さんはマニュアル制作担当・佐藤さんのデスクを訪ねました。
「佐藤さん、マニュアルの数値は最新だよね? カタログとズレているって指摘されちゃったんだけど」
佐藤さんは困り果てた表情で答えました。
「高橋さん、私の部署ではCMSを導入していて、マニュアルの数値は最新の設計データ通りに更新済みなんです。でも、宣伝部が作るカタログはWord、広報が作るWebサイトはHTMLファイル……といった具合に、他部署では依然として「ファイル単位」で管理されています。こちらがシステム上で正しく直しても、それを他部署の資料に反映させるにはメールなどで個別に連絡し、手作業で打ち替えてもらうしかありません。そこでどうしてもタイムラグや漏れが出てしまうんですよね」

マニュアル部門の中でいくら情報を整えても、そのデータが部署の壁に阻まれ、全社へリアルタイムに共有されない。これが「構造的な不整合」の正体でした。
ここで、以前からマニュアル制作支援を行っている担当者が、改善に向けた提案をしました。
「佐藤さん、せっかくCMSの中に「ひとつにまとまった正確なデータ」があるなら、それをマニュアル専用にするのはもったいないですよ。CMSにあるデータを、カタログやWebサイトも参照する「全社のマスターデータ」として活用することを検討してみませんか?」
さらに、こうした取り組みが重要視されている背景についても付け加えました。
「例えば、2027年1月に完全適用が始まる欧州機械規則(EU Machinery Regulation 2023/1230)では、取扱説明書のデジタル提供に関する要件が新たに整備されます。デジタル化が認められる一方で、提供する情報の一貫性や、最新状態へのアップデート義務は従来以上に厳格化されるため、データの一元管理は今後の法令対応において必須の要素になりそうです。マニュアル部門にあるCMSを「全社の情報源」へと広げていく、良いタイミングかもしれませんね」

この相談からしばらくして、情報の流れに変化が現れました。これまでマニュアルとカタログの突き合わせ作業に追われていた営業の高橋さんは、その確認作業に費やす負担が減り、より自信を持って商談に臨めるようになりました。制作の佐藤さんも、単なる執筆担当ではなく、社内全体へ最新情報を届ける「正確な情報の発信源」としての役割を担うようになりました。

CMSは、マニュアルを作るためだけのツールではありません。部門間の壁を越え、企業の信頼を守り抜くための「全社的な情報基盤」としての可能性を秘めています。
YAMAGATAでは、こうした「部門をまたいだ情報共有」に対応する仕組みとして、SCHEMA ST4というCMSの活用をご提案しています。
一箇所直せば、一斉に反映: CMS内のデータを一度修正すれば、そこから出力されるWebサイトも、多言語マニュアルも、同期して最新の状態へ更新しやすくなります。
修正漏れを大幅に削減: 他部署が「CMS上の正しいデータ」を直接参照する仕組みにすれば、コピー&ペーストによる転記ミスや修正漏れのリスクを抑えることにつながります。
部門をまたいだ情報共有: 制作や営業、広報が共通のデータを参照することで、誰がいつ確認しても「常に最新の正確な情報」にアクセスできる環境が整います。
「自社のデータ管理、もっとうまく活用できないかな?」と少しでも感じたら、ぜひ一度YAMAGATAにご相談ください。マニュアル制作の現場を知る私たちが、貴社のシステムが持つポテンシャルを最大限に引き出すお手伝いをいたします。