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おみくじの歴史と魅力~紙と印刷が織りなす日本の伝統文化~

おみくじの歴史と魅力~紙と印刷が織りなす日本の伝統文化~

印刷・出版

2025.01.06

2025.10.03

このコラムを書いた人

〇〇企画部 A.H

新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

新年を迎え、多くの方が初詣に出かけられたことと思います。
初詣の楽しみといえば、やっぱり「おみくじ」。ドキドキしながら一枚引いて、そこに書かれたメッセージに一喜一憂した経験は、誰にでもあるのではないでしょうか?
何気なく手に取るおみくじですが、実は古くから受け継がれてきた歴史と、紙と印刷における技術が光る奥深い世界が広がっているんです。

今回は、印刷会社として長年紙と向き合ってきた私たちが、おみくじの魅力を紐解いていきます。
単なる縁起物としてだけではなく、そこに込められた技術や美意識を知ると、おみくじを今までとは少し違う視点で見られるかもしれません。

【起源は古代中国】おみくじの歴史を紐解く

おみくじは、単なる吉凶を占うものではなく「神様からのメッセージを受け取る神聖な儀式」といわれています。
そのルーツは古代中国までさかのぼり、国の政治や人々の運命を占うために使われていたというから驚きです。当時の人々は「籤(くじ)」と呼ばれる木片や竹片に神様のお告げを記し、国の政治や人々の未来を占っていたとされています。

日本には仏教伝来とともに伝わったとされ、平安時代には貴族の間に広まりました。
当時の貴族たちは、現在のおみくじのように、紙に書かれた吉凶判断だけでなく、和歌や漢詩を添えて楽しんでいたという記録も残っています。なかなか風流ですよね。

そして、時代は戦国時代へ。武士たちは戦の勝敗を占うために、神社で神籤(かみくじ)を引いたと言われています。
現代でも勝負事の前に神社でお参りをして、おみくじを引く人がいるのは、こうした歴史の名残なのかもしれません。

江戸時代になると、寺社参りが庶民の娯楽の一つとして定着し、おみくじもより身近なものになっていきます。
人々がお寺や神社にお布施をする代わりに、おみくじを引いて寄付をするという習慣が広まり始めたのもこの時代です。

明治時代以降、西洋の文化が流入してくる中でも、おみくじは日本人の心をとらえ続け、現在では初詣だけでなく、年間を通して楽しまれるようになりました。

 

【紙の秘密】おみくじに使われる紙は?

サラサラとした独特の手触り、薄くても破れにくい丈夫さ。おみくじの紙って他の紙とはどこか違いますよね?
その秘密は「和紙」にあります。

かつて、おみくじの多くは「楮(こうぞ)や三椏(みつまた)」といった、植物繊維を原料とする「和紙」で作られていました。
繊維が長く強靭な一方で、薄く仕上げることができる和紙は、軽く、風になびきやすいという点でも、おみくじに最適な素材だったのです。

和紙を作る製法:「漉く(すく)」 「船」と呼ばれる濾し器に和紙の素を流し込み、丁寧に一枚ずつ作り上げていく、昔ながらの製作方法です。

和紙の材料:左が楮、右が三椏

 

神社やお寺の境内の木々に、そっと結び付けられたおみくじ。風雨にさらされても簡単に破れることなく、長い年月をかけて自然に還っていく。その儚くも美しい光景は、自然と調和して生きる日本人の感性を表しているかのようにも思われます。

近年では大量生産のニーズに合わせ、機械で作る洋紙も使われるようになりましたが、現在でも神社やお寺によっては、美濃和紙や越前和紙など、伝統的な手漉き和紙が使われています。

豆知識: 美濃和紙と越前和紙


● 岐阜県・美濃地方で生産される美濃和紙は、1300年以上の歴史を持ち、その薄さと丈夫さ、そして美しい光沢が特徴です。書道や版画用紙、そして障子や照明などにも使われています。


● 福井県・越前地方で生産される越前和紙は、丈夫で破れにくく虫害にも強いことから、「千年紙」とも呼ばれています。その歴史は1500年以上!重要文化財の修復などにも使われる、まさに日本の宝です。


熟練の職人技が光る手すき和紙は、温かみのある風合いと独特の質感を持ち、おみくじをより特別な存在にしています。

【印刷技術の進化】現代のおみくじはアート?!

おみくじの魅力は「運勢」だけではありません。近年では印刷技術の進歩により、デザイン性の高い、美しいおみくじが増えています。

かつては木版画の技術を用いて、文字や絵柄を丁寧に彫り込み、一色ずつ手作業で印刷していました。木版ならではの温かみのある風合いは、現代でも多くの人を魅了しています。

明治時代に入ると、西洋から活版印刷の技術が伝わり、大量印刷が可能になりました。

そして現代では、多色印刷やデジタル印刷など、より高度な印刷技術が使われるようになりました。
写真品質の美しいグラデーション、繊細なタッチのイラスト、金箔や銀箔を使った豪華な装飾、特殊加工による立体的な表現など、おみくじは、印刷技術の進化とともに、ますます魅力的なものへと進化を続けています。

さらに、環境への配慮から、従来の石油由来のインクではなく、大豆油や米ぬか油などを原料とした、環境に優しい植物由来のインクを使用する印刷会社も増えています。
また、持続可能な森林管理を推進するFSC認証(森林管理協議会)を受けた紙を使用するなど、地球環境に配慮した取り組みも広がっています。

【知って得する】おみくじの豆知識

Q. おみくじの種類は?


A.  一般的には「大吉」「中吉」「小吉」「末吉」といった運勢で分けられていますが、神社やお寺によっては、恋愛運、仕事運、健康運など、さらに細かい項目で運勢を占えるものもあります。
その年の干支にちなんだものや、特定の願い事に特化したユニークなおみくじも人気です。
また、「おみくじの歴史を紐解く」でも少し触れましたが、明治神宮では平安時代のおみくじのように、昭憲皇太后や明治天皇が詠まれた歌が書かれています。また「大御心(おおみごころ)」と呼ばれ、吉凶判断はなかったりします。

 

Q. 引いた後はどうしたらいい?


A.  良い結果が出たら持ち帰って大切に保管し、悪い結果が出たら、境内の木々に結んで、神様にお預けするのが一般的。木に結ぶのは、神様の木であるご神木に願いを託すという意味や、悪い運気を木に封じ込めてもらうという意味があります。
持ち帰る場合は、お財布に入れたり、手帳に挟んだりする人が多いようです。
最近では、持ち帰ったおみくじを専用の袋やホルダーに入れたり、お守りと一緒に飾ったりする人も増えているそうです。

 

Q. なぜ細長い形なの?


A.  かつて、おみくじは巻物や折りたたみ式の書物のような形状をしていました。それが時代を経て、現在の細長い形になったと言われています。
筒や箱に多数収納しやすく、引く際の操作が簡単になります。さらにコンパクトで持ち運びやすく、開くときの期待感も高まる、おみくじにぴったりの形と言えるでしょう。

【デジタル化も!】進化し続けるおみくじの形

時代の流れとともに、おみくじの形も進化し続けています。
近年では、QRコードを読み込むことで、詳しい運勢や、その神社やお寺の由来、イベント情報などを多言語で見ることができるおみくじが登場したり、スマートフォンで気軽に楽しめるデジタルおみくじも人気を集めています。

さらに、パーソナルおみくじという、誕生日や血液型などの情報、あるいは性格や悩み事などの質問に答えることで、その人に最適化されたオリジナルメッセージを作成してくれるサービスも登場しています。

おみくじは、伝統を守りながら最新技術も積極的に取り入れ、進化を続けているのです。
デジタルなおみくじに興味があれば、ぜひ調べてみてください。

【多言語化で海外へ】おみくじが世界を繋ぐ?!

最近では、海外からたくさんの観光客が日本を訪れるようになり、おみくじは日本の文化を体験できる人気のアイテムとなっています。そこで、神社やお寺では、英語はもちろん、中国語や韓国語など、様々な言語で書かれたおみくじを用意しているところが増えているんです。

短い文章の中に、運勢や人生の教えが込められたおみくじ。でも、これを外国語に訳すのは、実はとても奥が深い作業だったりします。
単に言葉を置き換えるだけでなく、その国の文化や考え方まで理解していないと、本当の意味は伝わりません。
日本語の微妙なニュアンスを残しながら、違う文化圏の人にも分かりやすく伝える…これって、とてもやりがいのある作業ですよね。

実は私たちも、日々似たような挑戦をしています。取扱説明書などのマニュアルやパンフレット、Webサイトなど、お客様の大切な情報を外国語に翻訳する仕事をしています。
その時に大切にしているのは、「ただ訳す」のではなく「その国の人が自然に理解できる言葉で伝える」こと。

言葉には、人と人との距離を縮める不思議な力があります。違う国の人同士でも、心が通じ合えるような架け橋になれる。私たちは、これからもそんな架け橋づくりを続けていきたいと思っています。

紙とデジタルの力で想いを届ける。印刷会社としての想い

印刷会社として長年紙と向き合ってきた私たちだからこそ、おみくじに込められた想いの大切さを感じています。一枚の紙が持つ力、それは人の心を動かし、文化を伝え、世界をつなぐことができる特別なものです。
私たちは、印刷物だけでなく、多言語翻訳やマニュアル制作など、さまざまな形でお客様のコミュニケーションをサポートしています。
伝統的な印刷技術を大切にしながらも、デジタル化する時代の変化に柔軟に対応し、お客様の想いを確実に届けられる製品・サービスを提供し続けていきたいと考えています。

今度おみくじを引くときは、是非その歴史や紙、印刷技術にも想いを馳せてみてください。

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