マニュアルDX化支援
2025.12.18
2025.12.22
このコラムを書いた人
〇〇企画部 A.H


「時間をかけてマニュアルを作ったのに、結局誰も見てくれない…」
「マニュアルがあるのに、同じような質問が何度も来て、問い合わせが減らない」
「新人教育に時間がかかりすぎているが、改善方法がわからない」
もし、このような課題を感じているなら、その原因はマニュアルの「伝わりにくさ」にあるのかもしれません。
この記事では、マニュアルが抱える「伝わらない」をゼロにするため、基本に立ち返り、多くの人が混同しがちな「運用マニュアル」と「操作マニュアル」の違いを解説します 。この違いを理解することが、本当に役立ち、活用されるマニュアル作りのための、最も重要な第一歩です。

多くの現場で聞かれる「開発者が作ったマニュアルは分かりにくい」という声。その理由は、作り手と読み手の「開発者目線」と「ユーザー目線」の違いにあります 。
これは、プロのシェフ向けのレシピ本と、料理初心者のためのレシピ本が全く違うのと同じです。作り手である開発者はシステムの全機能を熟知していますが、ユーザーが知りたいのは「自分の業務を達成するための具体的な操作方法」だけです。
この“目線の違い”を乗り越えるために、私たちはまず、誰に・何を伝えるべきなのかを明確に定義する必要があります。そのための鍵が、「運用マニュアル」と「操作マニュアル」の切り分けなのです。
運用マニュアルは、システムの安定稼働を支えるシステム管理者や保守担当者向けの技術文書です。
いわば「システムの健康診断書」。安定稼働を守るための専門的な情報が網羅されています。
システムの定期メンテナンスや保守の手順
トラブル発生時の原因特定と対応方法(トラブルシューティング)
ユーザー登録やデータ管理に関する情報
エラーコードの一覧と解説
一方、操作マニュアルは、システムを利用して日々の業務を行うすべての従業員に向けた手順書です。
目的はただ一つ、「ユーザーが迷わずに業務を完遂できること」。日々の業務に直結する、具体的な操作手順が分かりやすく解説されています。
「経費を申請する」ための具体的な入力手順
「新商品を登録する」ための一連の流れ
システムのログイン方法やメニューの表示方法
専門用語は避け、誰が読んでも理解できる
分かりやすい構成と表現が求められます。
この2つのマニュアルは、ターゲットが違うため、その目的も構成も全く異なります。この違いを理解せずに作成されたマニュアルは、どちらの読者にとっても「分かりにくい」ものになってしまいます。

観点 | 運用マニュアル (システムのプロ向け) | 操作マニュアル (一般ユーザー向け) |
|---|---|---|
読み手 | システム管理者、保守担当者(専門知識あり) | 一般ユーザー(PCスキルは様々) |
目的 | システムの安定稼働、保守、トラブル対応 | 日常業務の円滑な実行、操作方法の理解 |
構成 | システムの「機能」や「メニュー」が中心 | 「〇〇がしたい」という「業務の流れ(タスク)」が中心 |
内容 | エラーコード一覧、システムの内部仕様など | 具体的な操作手順、画面のスクリーンショット |
違いを理解したところで、実際に「伝わるマニュアル」を作成するための具体的なステップをご紹介します。これは、
分かりやすいマニュアルの作り方や、
取扱説明書作成のコツの核心となる部分です。

【設計】ターゲットと目的を決める
誰に、何を伝え、どうなってほしいのかを明確にします。これが全ての土台です。
【骨組み】目次構成を決める
ユーザーが目的の情報をすぐに見つけられるよう、業務の流れに沿った構成を考えます。
【内装】レイアウトとスタイルを決める
統一されたデザインやレイアウトは、読みやすさに直結する重要なおもてなしです。
【材料集め】執筆に必要な情報を集める
仕様書や画面キャプチャ、操作手順など、説明に必要な材料をすべて揃えます。
【組み立て】分かりやすい文章で記述する
専門用語を避け、一文を短く、読み手の心に寄り添うように書き進めます。
【仕上げ】図解やイラスト、画像を効果的に活用する
「百聞は一見に如かず」。言葉だけでは伝わりにくい部分は、ビジュアルで補いましょう。
【検査】第三者の目で校閲・テストを行う
完成したら、必ずターゲットユーザーに近い人に実際に使ってもらい、分かりにくい点がないかフィードバックをもらいましょう。
【公開と改善】公開し、利用状況を見ながら改訂を続ける
マニュアルは公開がゴールではありません。使われ続けるための改善活動が不可欠です。
結論から書く(PREP法): まずPoint(結論)を伝え、次にReason(理由)、Example(具体例)、最後に再びPoint(結論)で締めます。
一文を短く: 「~で、~ですが、~なので」と続けず、「。」とまめに区切ることを意識しましょう。
箇条書きを味方につける: 3つ以上の手順や項目は、迷わず箇条書きを使いましょう。視覚的に格段に分かりやすくなります。
操作箇所を囲む: クリックするボタンや入力欄を、赤枠や矢印で明確に示します。
個人情報を隠す: 名前やアドレスなど、個人情報や機密情報は必ずモザイクや塗りつぶしで隠します。
不要な部分は削る(トリミング): 説明に不要な範囲は削り、見てほしい部分だけを拡大すると伝わりやすくなります。
ここまでが内製化の基本的な流れですが、「リソースが足りない」「専門的な知見がない」といった場合は、マニュアル作成を外注するという選択肢も有効です。
YAMAGATA株式会社では、業務マニュアルの作成と運用を支援するはたらきかたマニュアルサービスを提供しています。

「一度作ったら終わり」ではマニュアルはすぐに形骸化してしまいます。組織の「生きた資産」にし続けるためのヒントを3つご紹介します。
「鮮度」を保つ仕組みをつくる
システムの更新時にマニュアルも必ず改訂するルールを設け、「最終更新日」を明記しましょう。古い情報は信頼を失う最大の原因です。
「見つけてもらう」工夫を怠らない
社内ポータルなど、全員がアクセスしやすい場所に保管し、存在を周知させましょう。「困ったらまずここを見る」という文化の醸成が大切です。
「読者の声」を力に変える
マニュアルの各ページにフィードバック機能を設け、利用者からの「分かりにくい」という声を収集し、改善に繋げるサイクルを作りましょう。
「運用マニュアル」と「操作マニュアル」。この2つの違いを正しく理解し、それぞれの目的に沿って作成・整備することで、マニュアルは初めてその真価を発揮します。
分かりやすいマニュアルが職場にあると、
問い合わせが削減され、コア業務に集中できる
業務の属人化が解消され、ベテランのノウハウが標準化されることで、組織全体の作業品質が高水準で保たれる
新人教育の期間が短縮され、教育コストを大幅に削減できる
といった、経営に直結する大きなメリットが生まれます。良いマニュアルは、単なる資料ではなく、企業の成長を支える貴重な「資産」となるのです。
「自社のマニュアルも、もっと分かりやすくしたい」
「そもそも、どこから手をつければ良いかわからない」
もしそう感じたら、ぜひ一度、専門家の視点を取り入れてみてはいかがでしょうか。
YAMAGATAでは、お客様の状況に合わせた
マニュアル制作・改善のご相談はもちろん、業務効率化についてのお役立ち情報などの各種資料を配信しております。
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