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輸入商品の取扱説明書作成:翻訳 vs. テクニカルライティング

今日は海外メーカーの日本法人や輸入業者の方々、そして日本で海外製品を提供する方々のために役立つ「輸入商品の取扱説明書」についてお話したいと思います。
海外で製造された製品を日本で販売したいと思ったときに、欠かせないのが日本語の取扱説明書です。商品を提供する上で、ユーザーにとってわかりやすい取扱説明書を用意する必要があります。
海外製品を輸入して日本で販売するために、日本語の取扱説明書を作成しなければならないけれど、何をどうすればいいんだろうと悩んでいる方はいませんか?英語版や海外メーカー側の説明書をそのまま使っても不十分で、日本のユーザーに合った情報や表現を提供したいとお考えではないでしょうか?または、現地の説明書をそのまま提供、あるいは簡単な翻訳版を提供した結果、ユーザーからの問い合わせ対応で忙殺された経験はありませんか?
今回は、そんなお悩みをお持ちの方々に向けて、取扱説明書を作成する際の選択肢について詳しくご紹介します。特に、「翻訳による作成」と「テクニカルライティングによる作成」の2つの方法について、それぞれのメリットやデメリットを比較しながら解説していきます。

翻訳による取扱説明書の作成

メリット


コストの削減    既存の説明書をそのまま翻訳するだけなので、テクニカルライティングによる作成と比べてコストを削減できます。
素早い対応  既存の説明書を翻訳するだけなので、テクニカルライティングによる作成よりも早く取扱説明書を作成できます。急いで市場に投入したい場合に有効です。

 
デメリット


文化の違い    現地言語の説明書をそのまま翻訳すると、翻訳としては正しくても、読んだ時にピンとこない言いまわしになったり、日本の文化になじまない表現になったりする場合があり、ユーザーにとって分かりにくい内容になる可能性があります。
必要な情報の不足    現地言語で作成された説明書をそのまま翻訳すると、日本の法令や規格に合わないケースがあるため、日本市場に投入できない場合があります。結果として、ユーザーの安全性や製品の適切な使用方法に関する情報が欠落し、ユーザーからの問い合わせが多発するといったことも考えられます。

テクニカルライティングによる取扱説明書の作成

メリット


専門的な知識とスキル    テクニカルライターは製品の専門的な内容や仕様を理解し、分かりやすい形でユーザーに伝えるスキルを持っています。ユーザーが正しく製品を使用できるように理解しやすい説明を提供できます。
必要な情報の網羅    日本の法令や規格、使用上の注意点など、日本のユーザーにとって必要な情報をしっかりと網羅することができます。ユーザーの安全性と製品の適切な使用をサポートします。また、TC協会(一般財団法人テクニカルコミュニケーター協会)会員の制作会社では、使用説明の国際規格(IEC 82079-1ISOおよびIEC)などのマニュアル評価基準に基づいて、情報の見直しも行うことができます。

一般財団法人テクニカルコミュニケーター協会
IEC国際電気標準会議


デメリット


コストの増加    テクニカルライティングは専門的なスキルが必要であり、その分コストがかかることがあります。予算を考慮する必要があります。
時間の要求    良質な取扱説明書を作成するためには、時間がかかることがあります。製品の仕様を理解したり、ユーザーにとって分かりやすいように記載内容の順番を検討したりする作業は必要な工程ではありますが、急ぎの場合には、素早い対応が難しいかもしれません。

どちらを選ぶべきか、そのポイント

 翻訳による作成はコストを削減できる反面、情報の欠落や分かりにくさが起こる可能性があります。
そのため、翻訳を終えた後に、法令や規格に関する記載は日本のものに準じた形に書き換え、不自然な言い回しは自然な形に書き換える「翻訳+リライトによる作成」という選択肢もあります。
一方、テクニカルライティングによる作成は、高品質かつユーザーフレンドリーな説明書を提供できますが、コストと時間を考慮する必要があります。
最終的な選択は、目的やターゲットユーザー、予算、スケジュールなどによって異なります。
自社の状況や目的に合わせて、ベストな選択をしてください。

弊社は、製品の専門的な情報を分かりやすく伝えるための取扱説明書を作成する専門家集団です。また、あらゆる製品の現地言語の取扱説明書を日本語に翻訳してきた経験も豊富です。海外メーカーの日本法人や輸入業者の皆さんに寄り添い、お困りごとを皆さんとともに解決し、最適な取扱説明書を提供することをお手伝いいたします。是非お気軽にお問い合わせください。

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