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TOP翻訳グローバルに展開するならローカルに対応しよう:なぜ地域の言語バリエーションが重要なのか

グローバルに展開するならローカルに対応しよう:なぜ地域の言語バリエーションが重要なのか

グローバルな顧客をターゲットにする場合、それぞれの地域の母国語で対応した方が、顧客の興味を引くことができます。
コンテンツをローカライズすることで、地域に関係なく顧客に寄り添っていることを示すだけでなく、ユーザーエクスペリエンスを向上させ、顧客満足度を高めることができます。
しかし、複数のローカルバリエーションがある言語の場合はどうすればいいのでしょうか?
今回は、スペイン語やフランス語を例に挙げ、様々な市場をターゲットにすることの複雑さについて、詳しく説明していきます。

 

グローバル市場におけるローカライゼーションの重要性

言葉は人の感情の奥深くに根ざしています。私たちが交わす言葉は、私たちが本当に何者なのか、その本質を語りかけています。歴史的には、言語の地域的なバリエーションがどの部族に属するかを示していました。
しかし、今日のグローバル化した世界では、ビジネスコミュニケーションで英語が広く使われています。それでも、母国語は私たちのアイデンティティ、歴史、文化、信条と強く結びついています。
特に、感情に訴えかけるコンテンツを扱う広告やマーケティングでは、文化や言語に合わせたローカライゼーションが重要です。重要なのは、人々とのつながりを深め、心を引きつけることです。

“If you talk to a man in a language he understands, that goes to his head. If you talk to him in his mother language that goes to his heart.”
相手が理解できる言葉で話せば、それは相手の頭に入る。あなたが相手の母国語で話せば、それは相手の心に届くのです」- ネルソン・マンデラ

テクニカルコミュニケーションにおいても、ユーザーはローカル言語の使用を非常に重視します。ローカルバリエーションでドキュメントを提供することで、読者は情報を処理しやすくなり、コンテンツは理解しやすく、製品は使いやすくなります。

 

スペイン語のローカルバリエーション

スペイン語は、ネイティブスピーカー数で(中国語に次いで)世界で2番目に多く話されている言語であり、21カ国の公用語です。
1492年に始まったクリストファー・コロンブスの探検航海は、スペイン帝国の拡大の始まりとなり、これが今日話されているラテンアメリカのスペイン語の主要因になっています。
ラテンアメリカでは、19カ国以上でスペイン語が話されており、最も話者数が多いのはメキシコ、次いでコロンビア、アルゼンチンとなっています。

ラテンアメリカのスペイン語は、長い年月を経てそれぞれのローカルバリエーションへと発展し、カスティーリャのスペイン語(スペインで話され、書かれる公式スペイン語)とは大きく異なっています。
数多くのローカルバリエーションのほかに、一般的な、あるいは中立的なラテンアメリカのスペイン語もあり、これはテレビや技術文書でよく使われています。
このバリエーションはかなり人工的なスペイン語であり、一般には話されていませんが、書き言葉としては広く受け入れられています。

 

以下の例は、カスティーリャのスペイン語とラテンアメリカのスペイン語の違いです:


スペインとラテンアメリカ諸国では、「ordenador」と「computadora」(コンピューター)、「móvil」と「celular」(携帯電話)、「coche」と「carro」(車)など、異なる単語を使用していますが、多くの語彙の違いは、ラテンアメリカにおけるスペイン語が、英語からの強い影響を示しています。


ラテンアメリカのスペイン語で相手に呼びかけるときは、「tú」(インフォーマル)、「usted」(フォーマル)、「vos」(インフォーマル)のいずれかを使用します。一方、カスティーリャのスペイン語では、「tú」と「vosotros/vosotras」(二人称複数形)が主に使用されています。


スペインでは、最近起こったことについて話すとき、現在完了形を使うのが一般的ですが、ラテンアメリカでは単純過去形を好んで使用します。
(I have walked this morning vs. I walked this morning)


スペインでは単純未来形が一般的ですが、ラテンアメリカでは近接未来形(ir + a + 不定詞)がよく使われます。
(I will take a walk this Sunday vs. I am going to take a walk this Sunday)


スペイン語圏の顧客をターゲットとした製品やサービスをローカライズする際には、必ずカスティーリャとラテンアメリカのスペイン語を区別すべきです。
しかし、一般的な文書や技術コンテンツについては、広く受け入れられている中立的なラテンアメリカのスペイン語を使用することにより、会社としても予算と管理の課題を削減することが望めます。
マーケティング・コンテンツについては、より良い販売結果を得るために、その国独自のローカルバリエーションで個別にターゲットを絞ることを強くお勧めします。

 

フランス語のローカルバリエーション

フランス語もまた、もともとヨーロッパにあった言語が海外に広がった例であり、16世紀にフランスが植民地化した結果です。カナダのフランス語には、ケベック州のフランス語(ケベック語)と、オンタリオ州やニューブランズウィック州などのフランス語圏の他のバリエーションがあります。現在、約700万人のカナダ人がフランス語を母国語としています。

発音のほかに、カナダのフランス語とヨーロッパのフランス語の主な違いは語彙に関係します。
カナダが大英帝国の一部となった18世紀以来、カナダのフランス語は、ヨーロッパのフランス語から隔離されてきました。そのため、今でもカナダで使われている単語や表現の多くは、ヨーロッパのフランス語を話す人にとっては古臭く感じられるようです。
また、英語と先住民語の影響を強く受けていることも要因の一つと考えられます。

 

その他にも、いくつかの顕著な違いがあります:


ヨーロッパのフランス語では、感嘆符や疑問符、コロンやセミコロンなどの句読点の前にスペースを入れるのが一般的ですが、カナダのフランス語の場合、スペースは省かれます。


カナダのフランス語では、前置詞はヨーロッパのフランス語の「sur la」や「dans les」ではなく、「s’a」や「dins」に短縮されることがあります。


カナダのフランス語では、「nous」の代わりに「on」がよく使われます。また、カナダのフランス語話者は、相手に対してよりくだけた呼び方をする傾向があり、「vous」の代わりに「tu」を使います。


フランス語圏の顧客をターゲットとした製品やサービスをローカライズする際には、必ずヨーロッパ系フランス語とカナダ系フランス語を区別すべきです。コミュニケーションとドキュメンテーションのために両方のバージョンを用意することで、より良い成果が期待できると考えられます。

YAMAGATAの翻訳サポート

どの地域の言語バリエーションを使うべきか迷ったときは、ぜひ弊社にご相談ください。
YAMAGATA株式会社は、アジアをはじめ世界10か国、21か所の拠点を展開しています。現地スタッフと共に、対象とする地域に対して最適な言語でアプローチするお手伝いいたします。

YAMAGATA株式会社(日本)

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翻訳区分 C:マニュアル・仕様書等工業資料
翻訳区分 E:インバウンド・マーケティング資料等

Yamagata Europe(ベルギー)

ISO認証:欧州公用語24言語での国際規格に基づく翻訳
公用語24言語(アイルランド語,イタリア語,英語,エストニア語,オランダ語,ギリシャ語,クロアチア語,スウェーデン語,スペイン語,スロバキア語,スロベニア語,チェコ語,デンマーク語,ドイツ語,ハンガリー語,フィンランド語,フランス語,ブルガリア語,ポーランド語,ポルトガル語,マルタ語,ラトビア語,リトアニア語及びルーマニア語)

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