翻訳

TOP翻訳翻訳会社に翻訳を依頼するには?~グローバル展開に向けた翻訳~

翻訳会社に翻訳を依頼するには?~グローバル展開に向けた翻訳~

ビジネスのグローバル展開は、言語の壁を乗り越える必要があります。
「これまで英語の翻訳については、自社の英語スキルを頼りにしてきたけれど、業務外で対応するには量が多くなってきた」
「今後はもっとグローバルに展開する予定もあり、できればそれぞれのローカル言語で取扱説明書やウェブページを作成したい」
と悩まれている方もいらっしゃることでしょう。
そこで今回は、翻訳を依頼する前に必要な準備や、依頼時に押さえておきたいポイントについて解説します。

 

 翻訳対象となるファイルの準備

依頼する前に翻訳対象となるデータを準備しましょう。
例えば、文書ファイル(Word、Excel、PDF、text)、プレゼンテーションファイル(PowerPoint)、ウェブサイトのコンテンツ(HTML、XML)、デザイン系ファイル(InDesign、Illustrator)、音声/動画ファイルなどがあります。
音声や動画の場合は、音声や動画内のセリフやテロップを文字起こししたものを準備しますが、文字起こしする作業と翻訳を同時に依頼することもできます。

 翻訳言語

データが準備できたら、次は翻訳言語を選定します。
何語から何語に翻訳したいのか、実はとても重要です。例えば、ひとことで英語と言っても、アメリカ英語とイギリス英語などの違いがあります。
その他にも、フランス語(ヨーロッパフランス語、カナダフランス語)、スペイン語(ヨーロッパスペイン語、ラテンスペイン語)、ポルトガル語(ヨーロッパポルトガル語、ブラジルポルトガル語)などあり、中国語も簡体字と繁体字に区別されます。
このように同じ言語でも、仕向け地によって選定する言語を確認することが大切です。

翻訳の目的や対象読者

翻訳の目的や対象読者を明確にしておきます。
ビジネス文書か一般向けか、業界特有の表現が必要かなどをはっきりさせておくと、翻訳者がより適切な表現やスタイルを選択できます。
翻訳する際には、目的や対象読者に合わせて適切な種類を選択することが重要です。
一般的に以下のように分類できます。

取扱説明書・仕様書

製品の使用方法や技術的仕様を詳細に説明した文書。
社内特有の用語や表現がある場合があります。

カタログ・マーケティング資料

製品やサービスを宣伝するための資料。
魅力的で説得力のある翻訳が求められます。

コピーライティング

広告やプロモーションに使用される創造的なテキスト。
ブランドの声を異なる文化圏でも効果的に伝える必要があります。

SNS・ブログなど

ソーシャルメディア投稿やブログ記事。
ターゲットオーディエンスとの関わりを深めるためには、文化的ニュアンスの理解が重要です。

製品機能名称など(ユーザビリティ用語)

製品インターフェースに使われる用語。
使いやすさを損なわないように慎重な翻訳が必要です。

法的文書・契約書

法律用語の正確な翻訳が必要とされる文書。
国際取引において重要です。

ウェブサイト・アプリのローカライゼーション

ユーザーにとって親しみやすい形で情報を提供するために、文化的なニュアンスや地域特有の表現に合わせた翻訳が必要があります。
文字数制限があるため、要約や短縮を踏まえた翻訳が求められます。

教育資料・eラーニングコンテンツ

学習者にとって理解しやすい言語で提供されるべき教材。
例えば、子ども向けの教育コンテンツと大人向けのeラーニングコースでは、スタイルや表現が異なる場合があるため、学習者が効果的に情報を吸収し理解できるような翻訳が求められます。

技術文書・科学論文

専門知識を必要とする内容の正確な翻訳。

映像・音声コンテンツの字幕・吹き替え

視聴者にとって理解しやすい言語での表現が重要なビデオやオーディオコンテンツ。
文字数制限がある場合があり、限られた文字数の中で視聴者に分かりやすく伝える必要があります。

ゲームローカライゼーション

ゲームの楽しさを損なわないよう、文化や習慣に合わせた翻訳とローカライゼーション。

特定の用語や言い回しの指定

翻訳時の用語や言い回しに関する指定があれば、事前に伝えるようにしましょう。

不訳語の指定

特定の単語をそのまま使用したい場合は、その単語を不訳語として指定します。翻訳者はその単語を他の言葉に変えず、そのまま使用してくれます。

用語の指定

社内で定められた用語がある場合は、翻訳者に指定します。これにより翻訳文書に反映され、一貫性が保たれます。

翻訳の統一性の要望

特に社内で定められた用語がなくても、文章に一貫性を求めたい場合は、翻訳者に対して統一された表現を心掛けるようにお願いします。これはブランドイメージや企業のメッセージの一貫性を維持するために重要です。
また、今後も、継続して翻訳を依頼する予定がある場合は、上記のようなルールとまとめた用語集を準備しておくことも有用です。用語集が無ければ翻訳会社と協力して作成することも可能です。
一度用語集を作成すれば、以降はその用語集を翻訳者に提示することで、用語の統一ができ、将来の翻訳作業にも役立ちます。
用語や言い回しの指定は、翻訳の品質を向上させる重要な要素であり、希望する表現が適切に反映されるように、明確な指示や協力が求められます。

フォーマットとデザインの要件

翻訳では単にテキストの言語を変換するだけでなく、翻訳後の文書のフォーマットやデザインも考慮する必要があります。
翻訳した言語によって文字数や配置などが変わってしまうことがあるためです。
例えば、英語からフランス語への翻訳では、文字数が20~30%増える傾向にあります。この変化は、ページレイアウトやデザインに直接影響し、未調整のままではテキストが溢れたり、不自然な空白が生じたりする可能性があります。またテキストボックス内の文字がすべて表示されずサイズを変更する必要が生じる場合があります。
そのため、翻訳後の文書が元のデザインと同様にプロフェッショナルで読みやすいものであるように、ページレイアウトの調整が必要になります。
翻訳サービスを翻訳会社に依頼する際には、テキストの翻訳だけでなく、フォーマットとデザインの調整を含む全体的なサービスを提供しているかどうかを確認することが重要です。

翻訳サービスの品質保証プロセス

翻訳依頼時、翻訳の品質を確保するために、どのようなチェックが行われるのかを理解しておくことが重要です。多くの翻訳会社では、品質保証の一環として以下のチェックを提供していますが、翻訳会社によって異なります。

バイリンガルチェック

原文と翻訳文を比較し、翻訳文に誤訳や訳抜けがないか、指定された用語が正しく使用されているか、文法やスタイルの間違いがないかなどを検証する作業です。
これにより品質向上や誤りの訂正が行われ、信頼性の高い成果物が得られます。
なお、バイリンガルチェックは品質向上に有効な手段ですが、時間や費用の制約、社内チェックで済ませるなどの理由により、チェックを省略することも可能です。

ネイティブチェック

翻訳された文書やテキストのみを見て、その言語の文法や表現の観点から詳細にチェックすることです。自然で正確な表現を含んでいるかどうかを確認し、文脈に適した言い回しや表現が使用されているかを検証します。
依頼の際は、どのレベルの品質チェックが必要か、またそれに伴うコストや納期の変更を翻訳会社と相談するで、期待に沿ったサービスを受けることができるようになります。

翻訳会社の選定

ここまで準備が出来たら、次はいよいよ翻訳会社の選定です。
翻訳会社の選定は重要なプロセスではありますが、何を基準に選んだらよいのか迷ったときのために、選定のポイントいくつか紹介します。

言語の範囲

翻訳可能な言語について確認します。依頼したい翻訳言語に対応しているかどうかを確認します。グローバル展開を考えるなら、多言語対応ができる翻訳会社が適しています。

専門性と経験

翻訳会社がどの分野に強みを持っているかを確認し、具体的な実績や経験があるかどうかも検討します。特に、自社の業界に特化した翻訳が求められる場合は、その分野に精通していることが重要です。

翻訳者の質

翻訳者の選定基準や品質管理のプロセスがどのようになっているかを確認します。ネイティブスピーカーであり、専門的なトレーニングを受けた翻訳者がいることが望ましいです。翻訳者の質が高ければ、より正確で自然な翻訳が期待できます。

品質管理のプロセス

翻訳の品質管理に、どのようなプロセスが組み込まれているかを確認します。前述のバイリンガルチェックや校正などがフローに含まれているのか、別途依頼が必要なのかを明確にします。品質管理がしっかりしている翻訳会社であれば、信頼性の高い成果物が得られます。

機密性とセキュリティ

取り扱う情報の機密性が確保され、適切なセキュリティ対策が講じられているかを確認します。特に機密性が重要な情報を扱う場合は、セキュリティ面の信頼性が求められます。
価格と料金体系: 提供されるサービスと品質に対しての価格を確認します。予算に合わせた柔軟な料金体系があると良いです。

国際基準と業界評価

翻訳のISOなどの国際基準を取得の有無、Nimdziなどの業界調査会社による言語サービス企業のランキングを参照すると、会社の信頼性と規模を判断する手助けになります。

コンサルティングサービスなどを提供しているNimdzi社の2023年版の言語サービス企業世界ランキング
Nimdzi 100 2023

見積依頼

翻訳会社が選定できたら、見積もりを依頼します。
詳細な情報提供: 依頼する文書の言語、フォーマット、対象読者など、できるだけ詳細な情報を提供しましょう。これにより、正確な見積が可能になります。文書の特徴や要件を正確に伝えることが重要です。

納期の明示

希望する納期がある場合は、希望日を提示しましょう。
翻訳する文字数によって、おおよその納期が決まっていますので、希望する納期と合わない場合は、翻訳会社と相談する必要があります。
たとえば、複数名の対応によって納期を短縮するなど検討してもらうことも可能です。
希望するサービスの確認と指定: 翻訳以外にどのような追加のサービスがあるか提示してもらい、バイリンガルチェックやレイアウト調整など、必要なサービスを伝えましょう。
料金の明確化: 料金体系や支払い条件について明確に質問し、納得できる価格であるか確認します。また隠れた追加料金がないように留意します。
例えば、翻訳量は原文をカウントして金額を算出します。
・日本語、中国語、韓国語は文字数をカウントします。(例:「日本語を英語に翻訳する」⇒11文字)
・英語やフランス語などのアルファベット系言語は、word数をカウントします。(例:「I have a pen」⇒4 ワード)
契約条件の明確化: 見積依頼とはいえ、重要な機密文書を渡すこともあります。契約条件を明確にし、双方が同意する形で契約を進めます。機密性の確保や違約時の対処についてもしっかりと定めましょう。

翻訳依頼

見積書の発行後、内容を確認して納得できたら翻訳を依頼します。

 

ここまでで翻訳依頼に関する心配事は、少し解消されましたでしょうか?
翻訳に関するお悩みやご要望がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
あなたのビジネスのグローバル展開を成功に導くお手伝いができることを楽しみにしています。

 

YAMAGATA株式会社(日本)

アメリカの調査会社 Nimdzi による世界の翻訳会社ランキング 100 で 58 位!
お客様の目的に合わせて、最適なソリューションをご提案します。

ISO認証:日英/英日での国際規格に基づく翻訳

翻訳・ローカライズ

翻訳区分 C:マニュアル・仕様書等工業資料
翻訳区分 E:インバウンド・マーケティング資料等

Yamagata Europe(ベルギー)

ISO認証:欧州公用語24言語での国際規格に基づく翻訳
公用語24言語(アイルランド語,イタリア語,英語,エストニア語,オランダ語,ギリシャ語,クロアチア語,スウェーデン語,スペイン語,スロバキア語,スロベニア語,チェコ語,デンマーク語,ドイツ語,ハンガリー語,フィンランド語,フランス語,ブルガリア語,ポーランド語,ポルトガル語,マルタ語,ラトビア語,リトアニア語及びルーマニア語)

Yamagata Europe

関連記事
UI(ユーザーインターフェース)のグローバル展開における多言語翻訳の重要性
グローバルに展開するならローカルに対応しよう:なぜ地域の言語バリエーションが重要なのか
輸入商品の取扱説明書作成:翻訳 vs. テクニカルライティング
移行期間が延長された新しい欧州医療機器規制(MDR/IVDR)
ISO 17100: 翻訳に関する国際規格
医療機器の翻訳:IVDR(体外診断用医療機器規則)について

お問い合わせ

サービスに関するご質問やご相談など、まずはお気軽にお問い合わせください。
045-461-4000 (受付時間 9:00~18:00)
045-461-4000 (受付時間 9:00~18:00) お問い合わせフォーム